・【自立支援医療とは?】
「自立支援医療とはなんぞや?」という方もいらっしゃると思いますので、まず「自立支援医療とは?」についてご説明させていただきたます。
自立支援医療とは、精神科の病院や診療所に入院しないで行われる治療(外来・投薬・デイケア・訪問看護等)の自己負担額を軽減できる公的な制度で、都道府県や指定都市が実施主体として運用されています。
精神疾患は、ゆっくり少しずつ安定・改善していく疾患が多く、そのため治療は長期にわたる通院が必要となります。
精神疾患に伴い、休職中や失業中の長期通院は、経済的に大きな負担となってしまいます。
また、休職中又は失業中は収入が減ってしまったり、収入が全くなってしまったりして「病院に通いたいけどお金がない…。」という状況も多いと思います。
私も8年前うつ病を患い休職を経て、会社をクビになり経済的に苦しく、病院へ通うことがままならないことがありました。
精神疾患の薬は高額なものが多く、1回にかかる診療代が高かったりするのですよね…。
そんな時知ったのが「自立支援医療」で、「長期通院が必要となる精神疾患の患者さんへの経済的な負担を軽くしよう」という目的で作られた公的制度でした。
・【自立支援医療の種類について。】
自立支援医療の種類については、
・精神通院医療(主に精神疾患の方が対象)
・更生医療(18歳以上で身体障害者手帳を交付されている肢体不自由・視聴覚障害・心臓・腎臓・小腸・免疫機能等の内部障害のある方)
・育成医療(18歳未満で身体に障害を有する児童で、肢体不自由・視聴覚障害・心臓・腎臓・小腸・免疫機能等の内部障害のある方)
の3つに分かれているそうです。
今回は、精神通院医療について綴らせていただこうと思います。
・【自立支援医療のメリットについて。】
自立支援医療についてご説明させていただきましたが、「申請するとどんなメリットがあるの?」と思いますので、メリットについてお話します。
メリットは、
・通常3割負担の医療費が1割負担まで軽減される。
・世帯所得や治療内容に応じて、月あたりの自己負担額に上限が定められるため、原則として上限を超える分の医療費は負担しなくて良くなる。
ということです。
・【自己負担額の上限について。】
次は「自己負担額の上限はいくらなの?」についてお話いたします。
自己負担額の上限については、世帯所得(納税額)による区分が設けられており、所得が一定未満の人に対しては、月あたりの自己負担額に上限が設定されています。
上限を超えた分は公費で賄われるため、ひと月に上限額以上の医療費を支払う必要がなくなります。
また総合失調症など、高額な治療を長期間続けなくてはいけない人は「重度かつ継続」という区分が適用され、別枠で自己負担額の上限が設定されています。
自己負担額と世帯所得の関係は下記の表のようになっています。
月あたりの上限額が5,000円(上記表所得区分低所得2)と設定されている場合だったとし考えてみます。
病院の診療で2,000円+薬局で処方5,000円=7,000円
の費用が発生した場合、上限金額は5,000円と設定されているため、超過した2,000円については公費で支払われることになり、自己負担額は5,000円で済むことになります。
闘病により収入が少なくなってしまった場合、自己負担額上限があることにより、お金の心配がいらず安心して治療に専念できると思います。
・【申請は何日通院後から申請できるの?】
次は「申請は何日通院後から申請できるか?」についてお話します。
自立支援医療の申請に「○ヶ月以上通院していないと申請できない。」などの通院期間の規定はないそうです。※規定が変更されていたら申し訳ございません。
安心して治療に専念するためにも、通院による継続的な治療が必要であれば、ぜひ早めに手続きを進めることをオススメいたします。※「継続的な治療」に当てはまるか解らない場合は、主治医や申請窓口に相談してみましょう。
・【申請したいけど、どうすればいいの?】
次は「申請方法」についてお話します。
申請を行う場合、市区町村の障害福祉課などが窓口になります。
手続きの際には自治体の定めた「指定医療機関」の中から病院と薬局を指定し、そこのみ制度の適用が受けられるようになります。
現在通院している病院や薬局が「指定医療機関」になっているかどうかは、役所などに問い合わせることで確認できます。
・【申請に必要な書類について。】
次の書類を揃えて窓口に行き、手続きを行うことで制度の適用が受けれます。
・申請書(支給認定申請書)※役所に用意してあるため、役所で記入を行います。
・主治医の診断書※自立支援申請用のものを、あらかじめ医師に用意してもらう必要があるため、事前に主治医に自立支援医療を利用したい旨を相談してください。
・世帯所得が確認できる書類※課税証明書・非課税証明書・生活保護受給証明書等、所得状況を証明する書類です。窓口は別になりますが、役所で手に入ります。
・健康保険証※写でも良い場合がありますが、原本を持っていくと確実です。
・マイナンバーがわかるもの※マイナンバー制度の施行に伴い、申請書にマイナンバーの記入が必要な場合があります。その際にはマイナンバーカードやマイナンバー通知書等の、番号がわかる書類を用意しましょう。
・印鑑
が必要なものになります。
※自治体によっては、必要な書類が異なる場合があるため、あらかじめ担当課や地域の保健福祉センターなどに問い合わせておくと良いと思います。
・【受給者証が届くまでは、どうすれば良いの?】
自立支援医療(精神通院医療)の適用を受けるには、申請の際に交付される「自己負担上限額管理票」と、申請後に郵送されてくる「受給者証」を医療機関や薬局に提示しなければなりません。
受給者証は申請が受理されてから、届くまでに時間がかかります。
その間は、自立支援医療の申請書控えを受給者証の代用として、「自己負担上限額管理票」とセットで提示することで制度が適用される場合があります。
ただし、全国すべての指定医療機関でこの方法が通じるわけではないため、医療機関や薬局にあらかじめ問い合わせをすると良いと思います。
・【医療費の払い戻しについて。】
申請書の控えで受給者証の代用ができない場合は制度が適用されないため、医療費は3割負担となります。
この場合は受給者証が届いた後に、届くまでの期間で余分に負担した医療費の、払い戻しを受けることができます。
払い戻しの手続きは、医療機関または役所で行うことができます。
このとき次の書類が必要になります。
・受給者証
・自己負担上限額管理票
・3割負担で医療費を支払ったときの領収書原本
※領収書は処分してしまわないように、大切に保管しておいてください。
なお医療機関や自治体により、必要な書類が若干異なる場合があるため、事前に確認しておいたほうが安心です。
・【自立支援医療(精神通院医療)の更新について。】
自立支援医療(精神通院医療)は、1年ごとに更新する必要があります。
受給者証には有効期限が記載されており、おおむね有効期限の3ヶ月前から更新手続きをすることができます。
更新の手続きは初回の申請と同じく、役所の障害福祉課などの窓口で行います。
このとき次の書類が必要になります。
・申請書
・印鑑
・診断書※2年に1回必要
・受給者証
・保険証
・マイナンバーがわかるもの
その自治体によって、必要な書類が若干異なる場合があるため、事前に確認しておいたほうが安心です。
・【更新をせずに期限が切れてしまった場合。】
有効期限終了までに、更新できなかった場合は「再開申請」の手続きが必要となります。
この時は更新と異なり必ず医師の診断書が必要になってしまいます。
再開申請をしない限りは、自立支援医療の適用はされませんので、期限切れから再開までの間に病院に行った場合の医療費は3割負担となってしまいます。
この場合は「受給者証が届くまで」と異なり、遡って医療費の払い戻しを受けることができないため注意してください。
・【自立支援医療(精神通院医療)における注意点について。】
自立支援医療(精神通院医療)の制度を利用するにあたり、以下のような注意点があります。
・指定医療機関でしか利用できない※全国すべての医療機関が「指定医療機関」であるとは限りません。
・受給者証と限度額管理票を毎回提示しなければならない※忘れてしまうと、その回は医療費軽減が受けられないこともあり、後で払い戻しの手続きが必要になるなど、手間が増えてしまいます。
・受給者証が届くまで時間がかかる※申請書の控えで代用できる場合もありますが、そうでない場合、後から払い戻しの手続きが必要になります。
・1年ごとに更新が必要※有効期限終了から再開までの間にかかった医療費の払い戻しができないため注意が必要です。
・最後に
本日は私が精神疾患を患い、収入が減ってしまって不安な毎日を過ごす中で、安心して治療に専念させてくれた「自立支援医療について」綴らせていただきました。
今治療で大変な思いをされている方の「少しでもお役に立てれば良いなぁ…。」そんな気持ちで綴らせていただきました。
少し長い内容となってしまい申し訳ございませんが、なるべく簡潔にお話させていただこうと思いますので、今後ともお付き合いいただければ幸いに存じます。
では本日も、最後までブログを読んでいただきありがとうございました。
では早速、表記につきまして綴らせていただきたいと思います。